ニボシのぼやき

 ツナ

まったく、突き止めてみたら同じ遺伝子をもった兄弟だったとは。

ヒトを殲滅するのはいいけれど、もうちょっとちゃんとデータの検証を

してからにして欲しい。

自分の種まで、モザイク化してどうするの。

それにしてもこのツナの揺らぎのプログラムはすごい威力。
 でも、何が侵入してくるか分からない。ホント、危険なプログラムすぎる。

再現性がなくてプログラムとしては失格だ。まったく男子は何をしでかすか分からない。

殲滅するにしても、もう少し、エレガントなやり方はなかったのかしら。

このままにしておけば、間違いなく私たちの種族も侵されてしまう。

シャケがモザイク化したら、身体をなめてもらえなくなってしまう。

シャケ
 

構成体はウイルスではないから、ワクチンを作れるものでもない。

どう考えてもこのままモザイク化していくのをみているしかない。

どうしたもんだろう。

未来からの干渉でなく、この時間空間から作り出された揺らぎが原因というところに

 解はあるのかな。

ツナとユタカと私ならなんとかできるかな。

まったく、ホントに男子ってば!

 

あの揺らぎ以前にこの時間空間をもどす・・・

ツナの時間軸を揺らがせるプログラムの改変によってそれは可能になるかも。

でも、これって時間の遡行ってことになるのかな?

ツナってば、ものすごい能力をもったバカ男子なのかも。

 

すべてリセットね。
 また二項定理からはじめなくちゃ。

 

 

 

        ニボシの予感再び

 

またまた、あの女子が来た。ユタカに数学を教わりに来る。

引っ掻く訳にもいかないから、バカにした目で見る事にしている。

向こうもこちらの悪意に気がついているようだ。早く帰ればいいのに。

おお、今日は二項定理。なかなかおもしろい。
ニボシ
 

 

あれ、ひげがチリチリする。

 

空間を伝わってくるものがある。これは同胞のシグナル。残る者が目覚めたのか。

違う。これは外宇宙からのシグナル。

スペースコロニー! 
 あの時地球を目指した私たちと別れ、スペースコロニーを選択した者たちのシグナルだ。

なぜ、今になって。

そうか、私とツナが行った時間空間への干渉の情報が彼らに補足されたのだ。

 

地球の活動信号が私たちのレベルでないため、私たちは滅亡したと思われていたに違いない。

時間干渉レベルの情報を捕捉して、彼らは私たちに接触するためにこの地球を目指している。

 

またまた大変。どうしたものか。

 

スペースコロニーが地球に近づけば、大騒ぎになって到着前周回中の残る者が発見されて
 しまうかもしれない。

その前に「残る者」を目覚めさせ、彼らをスペースコロニーへ向かわせねば。

地表の自覚者のうち、コロニーに行きたいものを「残る者」の船に乗せねばならない。

うわぁ、大仕事だわ。ツナも動員しなきゃ。

ツナはコロニーに行くことを望むだろうな。

またまた神様モードのチカラをつかわなければならない。

またあのへなちょこ女子の肩にとびのるのか。

気が進まないな。こんどは何回怒鳴らなきゃならないのかな。

 

「この、へなちょこ女子、言う事聞きなさい」

 

                         おしまい




 

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